半導体業界

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課題と背景:手作業による半導体基板の落下・破損リスクが大きな損失に

半導体基板の検査工程では、作業者がカセットから基板を取り出し、検査機へ1枚ずつ投入する作業を手動で行っていました。

半導体基板は高価であり、わずかな落下や接触、位置ずれによって傷や割れが発生した場合でも、大きな金銭的損失につながります。特に、基板を取り出す際の持ち方や投入位置、作業速度などが作業者の経験や技量に左右されるため、ヒューマンエラーによる落下や荷崩れ、設備との接触リスクを完全に排除することは困難でした。

また、高精度な取り扱いを長時間続ける必要があることから、作業者には強い集中力が求められていました。「基板を破損させてはいけない」という緊張感も大きく、身体的な負担だけでなく、心理的な負担も無視できない状態でした。

基板の破損が発生すると、製品自体の損失に加え、不良処理、原因確認、再投入、検査工程の停止なども必要になります。半導体基板の品質と安全性を守りながら、作業者に依存しない安定した検査工程を構築することが課題となっていました。

解決策の導入:EFEMによる基板取り出し・検査機投入工程の完全自動化

竜製作所が導入したのは、製造装置や検査装置の前面に設置し、半導体基板の搬送を自動化するEFEM(Equipment Front End Module)です。

EFEMがカセットから半導体基板を自動で取り出し、基板の位置や向きを確認したうえで、検査機の所定位置へ正確に搬送・投入する仕組みを構築しました。

基板の取り出し、保持、移動、位置決め、検査機への受け渡しまでの一連の作業を装置によって制御することで、作業者が基板へ直接触れる工程を削減しています。

開発にあたっては、基板の形状やサイズ、カセットの仕様、検査機の投入位置、必要な搬送精度などを詳細に確認しました。基板へ過度な力を加えず、落下や接触を防ぎながら安定して搬送できるよう、保持機構や搬送動作、位置決め条件を最適化しています。

また、作業者の感覚に依存していた投入条件を装置側で標準化することで、担当者や稼働時間にかかわらず、一定の精度で検査機へ基板を供給できる体制を整えました。

既存の検査機や生産設備との連携も考慮し、実際の製造ラインに適した専用のEFEMシステムとして設計・導入しています。

導入後の効果:基板破損による損失をゼロにし、安全で安定した検査工程を構築

EFEMの導入により、作業者が手作業で行っていた半導体基板の取り出しから検査機への投入までを無人化しました。

装置が一定の条件で基板を保持し、正確な位置へ自動搬送することで、ヒューマンエラーによる落下や接触、荷崩れのリスクを解消。導入後は、搬送・投入時の基板破損による金銭的損害をゼロにすることができました。

基板破損に伴って発生していた不良処理や再投入、原因確認などの作業も不要となり、検査工程の安定化と作業工数の削減につながっています。

また、作業者は高価な半導体基板を慎重に取り扱う高精度な手作業から解放されました。常に緊張を伴っていた作業が自動化されたことで、心理的な負担と身体的な負担の双方が軽減されています。

基板の搬送条件が標準化されたことにより、作業者の経験や技量に左右されない、再現性の高い検査工程も実現しました。一定の品質で基板を検査機へ供給できるため、半導体基板の品質管理体制とトレーサビリティの強化にも貢献しています。

EFEMによる自動搬送を導入したことで、基板破損リスクの解消だけでなく、検査工程の省人化、安全性の向上、作業の標準化、生産設備の安定稼働を実現しました。

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