半導体業界

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課題と背景:人手によるFOUP搬送がパーティクル発生の要因に

半導体製造のクリーンルームでは、ウェハを外部環境から保護しながら工程間で移動させるため、FOUPと呼ばれる専用の密閉容器が使用されています。

従来は、FOUPの運搬や製造設備へのセット作業を、作業者が手作業で行っていました。

しかし、人がクリーンルーム内を移動したり、FOUPを持ち上げたり、設備へセットしたりする際には、衣服や身体、床面などからパーティクルと呼ばれる微粒子が発生する可能性があります。

半導体製造では、わずかなパーティクルがウェハ表面に付着しただけでも、回路パターンの形成不良や製品性能の低下につながるおそれがあります。製品の微細化が進むほど、微粒子による影響は大きくなり、クリーンルーム内の清浄度を維持することが重要になります。

また、人手による搬送では、作業者の移動時間や設備への投入待ちが発生するほか、FOUPの持ち運びに伴う作業負担や落下、接触などのリスクも課題となっていました。

ウェハの歩留まりを改善するためには、人の移動や作業に起因するコンタミネーションリスクを抑え、FOUPを安定して搬送できる仕組みが求められていました。

解決策の導入:天井搬送式OHTによるFOUP搬送・投入工程の無人化

竜製作所が導入したのは、クリーンルームの天井部分に設置したレール上を走行し、FOUPを自動搬送するOHT(Overhead Hoist Transport)システムです。

OHTが製造工程に応じてFOUPを受け取り、指定された製造設備まで天井経由で自動搬送します。設備のロードポートへの移載・投入までを自動化することで、作業者がFOUPを持ち運ぶ必要のない搬送体制を構築しました。

天井空間を搬送経路として活用するため、FOUPがクリーンルームの床面付近を移動する機会を減らし、人や台車の動きによって発生するパーティクルの影響を受けにくい設計としています。

また、製造設備の配置やFOUPの搬送ルート、生産工程の順序、必要な搬送能力を踏まえ、各設備へ正確かつ効率的にFOUPを供給できるようにシステムを構築しました。

人手による運搬からOHTによる自動搬送へ切り替えることで、FOUPの搬送、位置決め、設備へのセット作業を標準化。作業者の技量や稼働状況に左右されることなく、一定の条件で搬送できる環境を整えました。

導入後の効果:パーティクルを低減し、ウェハの歩留まりと生産効率を向上

OHTシステムの導入により、作業者がFOUPを持ってクリーンルーム内を移動する必要がなくなり、人の動作に起因するパーティクルの発生を大幅に抑えられるようになりました。

FOUPが床面や作業者の影響を受けにくい天井空間を移動することで、搬送時のコンタミネーションリスクを低減。生産工程内の清浄度が向上し、ウェハへの微粒子付着による品質不良の抑制につながりました。

その結果、半導体製品の歩留まりが改善し、同じ投入量から生産できる良品数の増加に貢献しています。

また、FOUPの搬送から設備への投入までを無人化したことで、作業者の移動や搬送待ちにかかっていた時間も削減されました。製造設備へ必要なタイミングでFOUPを供給できるようになり、設備の待機時間や生産工程の停滞を抑えています。

人手による搬送作業が不要になったことで、作業員の身体的な負担やFOUPの落下、接触などのリスクも軽減されました。

パーティクルの低減だけでなく、ウェハの歩留まり向上、搬送工程の省人化、製造設備の稼働率向上、生産効率の改善を実現し、高品質な半導体製造を支える安定した搬送体制の構築に貢献しました。

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