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課題と背景:焼きトレイの手作業清掃が生産ラインのボトルネックに
贈答用の洋菓子を製造する工場では、マドレーヌなどの焼成に使用する焼きトレイの清掃に、多くの人手と時間を要していました。
対象となる焼きトレイは、1枚で菓子約20個分を焼成できる一方、凹凸が多く複雑な形状をしています。焼成後には焦げかすや生地の残りが細部に付着しやすく、簡単な水洗いだけでは十分に汚れを落とすことができませんでした。
そのため、作業員がヘラなどを使い、トレイを1枚ずつ手作業で清掃していました。頑固な汚れを取り除く作業は身体的な負担が大きく、複数名の作業員を常時配置する必要がありました。
特に繁忙期には清掃を担当する人員が不足し、使用済みトレイの洗浄が次の生産に間に合わないこともありました。清掃工程が滞ることで、焼成工程へトレイを戻すまでに時間がかかり、生産ライン全体の回転を妨げる要因となっていました。
また、人件費だけでなく、洗剤や水道水の使用量も多く、清掃工程にかかる運用コストの削減が求められていました。
解決策の導入:高圧水洗浄とエアブローを組み合わせた専用自動洗浄装置
竜製作所が開発したのは、焼きトレイを1枚ずつ投入することで、洗浄から乾燥までを自動で行う専用装置です。
ソリューションの中心となったのは、洗剤を使用せずに焦げかすや付着物を除去する高圧水洗浄技術です。
高圧の水を焼きトレイの表面や凹凸部分へ的確に噴射し、手作業では落としにくかった頑固な汚れを剥離します。洗剤を使用しないため、洗浄後のトレイに洗剤が残るリスクを回避でき、食品製造現場で求められる衛生面にも配慮した設計としました。
洗浄後は、高圧と低圧のエアブローを組み合わせてトレイ表面の水分を除去します。
強いエアで大きな水滴を吹き飛ばした後、細部に残った水分まで丁寧に除去することで、洗浄後のトレイを乾燥工程に長時間置くことなく、速やかに生産ラインへ戻せる仕組みを構築しました。
また、工場敷地内の井戸水を洗浄水として活用できる仕様とし、水道水の使用量を抑えられるように設計しています。
既存の工場設備や使用可能な水源、生産量、必要な洗浄能力を踏まえ、現場の運用に合わせた専用装置として開発しました。
導入後の効果:4名以上の清掃作業を1名体制へ省人化し、15秒のサイクルタイムを実現
自動洗浄装置の導入により、これまで4名以上で行っていた焼きトレイの清掃作業を、装置を操作するオペレーター1名で対応できる体制へ移行しました。
作業員がヘラを使用してトレイを1枚ずつ清掃する必要がなくなり、清掃工程にかかる人的負担と人件費を大幅に削減しています。
また、1トレイあたり約15秒のサイクルタイムを実現したことで、使用済みトレイを効率よく洗浄し、短時間で生産ラインへ戻せるようになりました。
繁忙期にも清掃工程が滞りにくくなり、トレイ不足による生産ラインの停止や待ち時間を抑えられるようになっています。
さらに、洗剤を使用しない高圧水洗浄方式を採用したことで、洗剤の購入費用や管理負担を削減しました。井戸水を活用できる設計により、水道料金の負担も軽減しています。
焼きトレイの清掃自動化によって、省人化、生産性向上、人件費削減、洗剤費削減、水道費削減を同時に実現しました。
作業員の負担を軽減するだけでなく、生産ライン全体を安定して稼働させる体制を構築し、環境面とコスト面の双方に貢献する設備となりました。
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